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■タバコの害に関するテキスト
(3)若い女性の喫煙割合の増加:
 世界的には喫煙率の減少の傾向があるというのに、女性の喫煙率だけは増加の一途だとのWHOの報告が最近出ました。それによると、世界の女性喫煙率は現在、先進国が15%、途上国が8%ですが、2025年には先進国、途上国とも約20%となると予測しています。そして、将来は女性の4人に1人が間接喫煙も含めタバコが原因で死亡すると警告しています。
 また、特に日本については、20代女性の喫煙率が86年の16%から96年には20%に増加、10代女性は90年の5%から96年には15%と3倍に増えたと言及しています。WHO当局者は「女性の喫煙率が現在のペースで増えるなら、日本が将来も長寿大国であるという保証はない」と言っています。喫煙率増加の背景には「自立した女性」とタバコのイメージを結びつけるタバコ広告などが影響していると考えます。
 更に、看護婦の喫煙率が高いと言われていますが、北海道深川医師会が深川市立高等看護学院の生徒に行った喫煙状況調査を紹介してみます。学年全体の喫煙率は34.9%と高率でした。学年別 に見ると、1年生の喫煙率は4.5%であるのに対し、2年生では45.0%、3年生では55.0%と学年が進むにつれて喫煙率の上昇が認められました。この人たちが看護婦になっていくわけで、全国の看護婦さんの喫煙率の高さが推測されます。
 医師と同じくらい看護婦さんは患者さんの手本になる存在です。その意味で、看護婦さんこそぜひ禁煙をして欲しいと思います。前述したとおり、いくら看護婦という職業がストレスの多いものとは言え、タバコは本質的にストレスを増加させるものだと言うことを思い出して欲しいものです。

(4)若年からの喫煙開始による恐ろしい影響:
 喫煙開始年齢別に見た死亡率比のグラフ(図2)を見て下さい。14才以下で喫煙を開 始した群は、非喫煙群(1としている)と比較して、総ガン死亡率が約4倍、虚血性心疾患死亡率が10倍以上です。いかに若い頃からの喫煙が危険であるかわかります。イギリスの症例では、13才から喫煙、22才で肺ガンで死亡との少年の例があります。
図2

 それなのに、日本での最近の中高校生の喫煙統計を見ると、やはり増加傾向にあります。1996年度未成年者の喫煙行動に関する全国調査報告書から引用してみます。全国中学校80校、高校73校、115,814人に対する調査です(図3)。喫煙経験率は中学生は男子30%を越え女子が20%前後、高校3年で男子は55.6%、女子でも38.5%とかなり高率です。彼らの将来の健康が心配です。
図3

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